産業医紹介サービスの会社概要ページには、たいてい「有料職業紹介事業」「労働者派遣事業」という言葉が出てくる。医師を紹介する、あるいは派遣するという行為そのものが、この2つのどちらかの許可を前提にしているからだ。ただし、その許可が具体的に何番なのかまで書いてあるページは、思ったより少ない。
当サイトが掲載している産業医紹介サービス19社の公式サイトを数え直すと、番号そのものを公表しているのは7社だった。
番号まで公表しているのは、19社中7社
7社の記載は、たとえばこうなっている。アドバンテッジリスクマネジメントは「有料職業紹介 許可 13-ユ-300161」「一般労働者派遣事業 許可 派13-300983」の両方を、さんぎょうい株式会社は「一般労働者派遣事業 派13-304501」「有料職業紹介事業 13-ユ-306156」を、それぞれ会社概要に載せている。ほかにエムスリーキャリア、エムステージ、ドクタートラスト、メディエイト、メディカルトラストの5社も、同じように番号を明記していた。
番号の形式には、ある程度の規則性がある。「地域を表す数字-ユ-通し番号」が有料職業紹介事業、「派」に地域の数字と通し番号が続くものが労働者派遣事業の許可番号にあたる。この形式そのものは、7社の記載を横に並べれば誰でも読み取れる。
残る12社は、「無い」のか「書いていない」のか
番号を出していない12社のうち、性質が違う2種類がある。
一方は、許可を取得していること自体は書きながら、番号までは載せていない社だ。ワーカーズドクターズの会社概要には、労働者派遣事業許可・有料職業紹介事業許可をそれぞれ取得した年月の記載があるが、番号の欄は「記載が無い」とこちらで確認した状態のままになっている。OZ産業医紹介サービスも、事業内容に「有料職業紹介」とは書きつつ、取得ページに番号は見当たらなかった。
もう一方は、許可への言及そのものが会社概要のページに見当たらない社である。こちらのほうが多い。
番号が無いことは、許可が無いことではない
産業医の紹介や派遣を有料で行う以上、許可自体は別途あるはずだ。会社概要のページに番号欄を設けていないか、集客用のサイトには転記していないだけ、という可能性のほうが高い。番号が無い=無許可、と決めつける根拠にはならない。
番号が無い会社に、何を聞けばよいか
契約前に確かめたいのは、番号そのものと、どちらの許可(有料職業紹介事業か、労働者派遣事業か、あるいは両方か)に基づいて医師を紹介・派遣しているのかという点だ。産業医紹介サービスの中には、複数のグループ会社が運営に関わっている社もある。問い合わせ窓口の社名と、実際に契約書へ署名する運営会社の名前が同じかどうかも、あわせて確認しておくとよい。
7社
19社のうち番号まで出しているのはこの7社で、割合にすれば半分に届かない。半分を超える会社とは、この一往復のやり取りをしてから契約に進むことになる。
公式サイトの外で確かめておくこと
許可番号は、契約期間や解約条件の公表率を扱った記事で見た「公式サイトに書かれやすい情報と、書かれにくい情報」の非対称と同じ構造を持つ。会社としての実在性を示す情報(本社所在地・代表者など)は書かれやすく、あとから確認しないと揉めかねない情報は書かれにくい。許可番号もその後者に近い。
選任の流れは産業医の選任手順に、料金の実額は産業医の費用相場にまとめてある。契約する相手を決める段階でリストに加えたいのは、この2つに加えてもう一項目——許可番号だ。
出典
- 当社集計(掲載19社の公式サイト記載の集計。有料職業紹介事業・労働者派遣事業の許可番号の公表有無)取得日2026-08-26・2026-08-28・2026-09-03